アナログレコード大好き人間としましては

久々に2日連続でレコードハンティングに行ってきました。
主に中古レコードショップ、渋谷〜新宿と2日間。

アナログからデータやCDに移行して手放す人が多いのか、かつてあまり見かけなかったレア盤とか、昔は高かったレコードが結構安かったりとか、全然内容も分からない初めて見る気になる盤とかもう様々。
久々20代前半の毎日レコ屋巡りをしていた頃がよみがえってきました。

お金ない時代、当時もえさ箱(よく下に箱で入ってるセール盤)から色んなレコード買ってましたね。
それが数年すると数倍の値段がついていたり、ロンドンに持っていって向こうのレア盤と交換したりと良い思いも沢山しましたが、当時3800円とかで買ったレコードが今では1000円くらいだったりと、時代と共に色んな物語が繰り返されてきましたね。

確かに絶対に数が少なく、今も昔も値段が変わらないものもあって、流行ではなく永遠というワードがちらほら。
まあ高いとかレアだから良いって訳ではなくて、コレクターズアイテムもありますから、そういったことよりも内容が一番大切で、その内容とレア度や値段でジャッジしたら一番良いかも。
現在はもしかしたら一番適正価格になってるのかもしれませんね。
安いからって内容が悪いわけではなくて、当時売れたからものが沢山あるってことでして、変な先入観は無しで探せば、エバーグリーンなアルバムや曲に出会うことでしょう。

ブランドや先入観を捨てる、そして人の意見を鵜呑みにせず、自分で判断する、これが一番大切ですよね。

ということで2日間で結構な量を入手。
といっても最近盤質にもこだわったりしてるので、家にあるヘトヘトになった盤の買い替えとかもあったりして、レコード道もただではすみませんね。お金も必要です。

昨日から買った中古レコードの掃除でかなりの時間取られて、やっと聴ける状態になったとこです。
レコードはちゃんとクリーニングすれば、感動が倍になることが多々なんで、ここは抜かりなく。

さてさてタイトルは中古盤に関してというよりは、新譜や再発盤について。
CDがあまり売れなくなった昨今、データ配信と共にレコードのリリースが増えていることがときたま話題になりますね。
確かに数年前の底の時代に比べたら少しは伸びてきてるんだと思います。
でも昔程のリリースやブームになることはないでしょうが、それでも新譜や再発がアナログで出ることは、アナログ大好き人間にとってはとても嬉しいことですね。

しかし今一番の悩みというか苦言というか、プチアナログブームに乗って、アナログを出せばいいんだって勝手に思ってる人が多いこと。
アナログはCDやデータと違って結構繊細なので、きちんと制作しなければ、ただアナログなだけってことになりますからね。

SPの次に音が良いと言われているアナログ盤。
きちんとカッティングしてプレスして、きちんとセッティングされた機材(高級とか安い機材だとかは問題ではなく)で聴けば、デジタルとは違って心の奥底に突き刺さってくると思ってます。いや確信してます。
確かに車や移動中にレコードは聴けないから、そういったときにCDやiPodなどは重宝しますけど、真剣に音楽を聴いて、心の奥底から感動するのは今のところアナログしかないですよね。
結局デジタルは現状の現代人には、動物的に受け入れられない部分があると思います。
100年後の世界の人たちはそれに対応した動物的進化があるかもしれませんが。

あらら、いつのまにかアナログバカ全開モードになってしまいましたね。
興味ない人には全く興味ないと思うので、気になさらず。

またまただいぶ今日話したい主題とは離れていってますが、一番気になっているのは特に再発盤について。
2年くらい前に比べると、非常に多くのアナログが再発されています。
あのレア盤、その盤と多種多様。
しかし一番多いのがデジタルリマスターからのアナログ再発。
これがやっかいで、何故デジタルリマスターを施さなければいけないのでしょうか?
CDやSACD、またはデータでやるのであれば、デジタルリマスターは大きな武器になると思います。
しかし元々アナログマスターがあるのに、何故わざわざデジタルに変換して、そして更にまたアナログに戻すなんて、、、とても理解出来ません。
もともとCDしかなかったものを初アナログ化とか、我々のように元々デジタルマスターしかない音源であれば、それは高音質デジタルリマスターを使うのは良いこと。
でもアナログにするんであれば、アナログマスターから直接やるのが一番。
結局CDやSACDの売り上げが落ちて来ていて、それでちょっとしたアナログリバイバルがおきているから、ついでにアナログにもしてしまえって、ビジネスの為のアナログ化が非常に多いのが目につきます。

レコード会社としてはビジネスでもあるわけだから、お金になることはやっていかなければいけないと思います。
ただ現状目先のお金に目がくらんだ、音楽愛がないただのビジネス産業としてのアナログ発売ってのが見え見えなものが多いです。
打ち出し方とかカッティングにばかり目がいって、本質であるオリジナルマスターの大切さを無視しているのでしょうか?
それともアナログマスターからやると面倒だったり更にコストがかかったりするからビジネスにならない?
でもそういった安易なことばかりをやっていると、結局一過性のちょっとしたブームで、ファンは離れていってしまうと思います。

聴き手ももしかしてレコード会社の受け売りに安易に乗ってませんか?
プラシーボ的な感覚で勝手に判断してないですか?
本当にきちんと聴き込んだり、超オリジナルではないにしても、当時の通常盤と聴き比べしてますか?

アナログファンとしては、アナログの火は消したくはありません。
昔のようなリリースはないにせよ、少しは高くても、愛ある形で丹精込めて作ったリリースをやっていかなければ、自分の大好きなものがなくなってしまう可能性もあるんですよね。
音楽をアートではなく趣向品だと考えるのであれば、音楽自体の存在は各々の判断に任せればいいのかもしれません。
だから自分は自分の考えとしてこういった発言をしているのです。

アートとビジネスの両立は非常に難しいと思います。
そして今は我慢の時代なのかもしれません。
だからこそ目先の利益ばかりを考えず、愛を持って行動していくべきです。

今は楽をしようとしたらどこまでも楽が出来る時代。
楽は楽、しかしある程度の苦労をして初めて手に入るというか自分の身になることも多いと思います。

ちょっとエキサイトしてしまいましたが、デジタルリマスターが悪だと決めつけているわけではなくて、あくまでも価値観の問題です。
発売元がデジタルリマスターが最高だと思うのであればそれで良いでしょう。
それを聴いて感動するのであれば、自分だって買うことでしょう。

今は何でも簡単に手に入れることが出来る時代。
聴きたいときにただで音楽を聴いたりも出来るし、情報だって簡単に手に入ります。
そんな時代だからこそ本物というものを見極める目というか経験をしていかなければと改めて思いました。
そういった意味では今回のレコードハンティングで見かけた多くの再発盤には色々考えさせられて感謝しています。


今回は結構キツい発言や考え方を書いてしまいましたが、自分にとって音楽は生活の一部であり、生き甲斐であり、仕事であり、愛であるので、皆さんどうかご理解してもらえればと。
考え方は人それぞれ。こんな堅物もいるんだってことを分かってもらえただけでも幸いと思いましょう。


そんな中にあっても丁寧にオリジナルアナログマスターから、愛を持って現代的にアナログ化再発しているメーカーもあります。
出来の好みはありますが、こういった愛あるメーカーがいまだ存在していることに感謝だし、応援していきたいと思います。




余談ですが、ディスクユニオン新宿本店の2階のアクセサリーコーナー。
多くの音楽用品が売ってあって、その中でも多くの種類のレコード用品、ビニールカバーや内袋、クリーナーとか色々あって、一番安心したというか心が落ち着いたのには、さすがアナログバカ、音楽バカと自分を褒めたいなって、ある意味オタク魂全開な自分の再発見がありました。
人生再発見の連続ですね!

calm